赤ちゃんの向き癖と、手足の動かし方の左右差について
「いつも右ばかり向いて寝ていて、反対側を向かせようとしても嫌がる…」
「左側からおもちゃで音を鳴らして声をかけても、なかなか向いてくれない」
赤ちゃんの「向き癖」を見つめながら、「頭の形が変わっちゃうかも…」と心配しているママやパパはたくさんいます。
でも、実はこの向き癖、ただの「顔の向きの癖」だけで終わらない、大切な体からのサインなのです。
こんにちは、札幌ベビーオステオパシーの山本卓弥です。
札幌で理学療法士として病院での経験を含め14年間臨床に携わり、3,600回以上の赤ちゃんの施術に関わってきました。
今回は、赤ちゃんの「向き癖」が引き起こす手足の使い方の左右差と、将来の運動バランスとの関係についてお話しします。

育児の盲点|向き癖は首だけじゃない?手足の使い方の左右差とのつながりについて
「向き癖はそのうち自然に直るよ」とまわりから言われることもありますが、理学療法士の視点から知っていただきたいのは、赤ちゃんの首の向きは、手足の動かし方と関連している可能性があるということです。
赤ちゃんには、「顔が向いている側の手足を優先的に使い、自分の目で見て認識する」というおもしろい性質があります。
そのため、いつも同じ方向ばかりを向いて過ごしていると、赤ちゃんにとっての視界や動きやすさが特定の側に偏ってしまうことがあります。
すると脳は、その側の手足を動かす指令を出しやすくなり、結果として手足の使い方のバランスに差が出やすくなる傾向があるのです。
それは例えるなら、若木が太陽の光を片側からだけ浴び続けて、枝ぶりが一方にだけ極端に偏って成長してしまうのと同じ状態です。
その偏りを抱えたまま成長すると、大きくなってから「片方の手ばかり使う」「寝返りが片側しかできない」「ハイハイや歩き方に左右差が出る」といった、動きのバランスに繋がってしまう場合もあります。
いつか治るを待つ前に|オステオパシーで首の緊張を整えるサポートを
「無理に反対側を向かせなきゃ!」と、タオルを挟んで頭を固定したり、嫌がる赤ちゃんを無理に誘導したりして、お互いに疲れてしまう必要はありません。
大切なのは、
👉 反対を向けない原因になっている、首の付け根や背中にある『小さなこわばり』を解きほぐすサポートをしてあげること です。
当院ではオステオパシーという手法を用いて、水に触れるようなごく優しいタッチで、赤ちゃんの首の関節や後頭部、背中全体の深い緊張をやさしく整えていきます。
首まわりの引っかかりが取れて、左右どちらの方向にもストレスなくのほほんとスムーズに向けるようになると、
👉 赤ちゃんの視界や動きの幅が広がり、左右どちらの手足もバランスよく使える経験を自然に積み重ねていくきっかけになることもあります。
(※変化の感じ方には個人差があります)
健やかな身体感覚を育む土台を
赤ちゃんのうちに首の向き癖をリセットし、左右対称にのびのびと体を動かせる土台を整えてあげることは、これからの成長において大きな価値を持ちます。
今この時期に身につける、左右の偏りのない健やかな身体感覚は、この子がこれから大きくなって、ボールを投げたり、走ったり、机に向かって学習したりする長い人生の中で、将来どんなスポーツや学びにも柔軟に対応できる「しなやかな体の土台(一生のお守り)」になるからです。
「いつか治るだろう」とただ待つのではなく、今、赤ちゃん自身が「どっちを向いても気持ちいいな!」と思える動かしやすい体をプレゼントしてあげませんか?
「向き癖が強くて手足の左右差が気になるな」「反対側を向くのが苦手そうだな」と思ったら、ひとりで悩まずに、まずは一度お気軽にご相談くださいね。
